日本は世界に類を見ない超少子超高齢社会であり、
私たちの仕事は医療・介護・保育とその影響のど真ん中に存在している
相変わらず自己犠牲を強いる現場は多く、
働く人々は疲弊し、自らの暮らしの凹みを整えることすらままならない
医療は飛躍的に進歩しているが、病院は経営を求められ「医療屋」となりつつある
自宅での家族介護は経済的にも体力的にも微塵の余力もなく、
介護施設生活はバラ色どころかモノクロに近い
急速なダイバーシティの高まりは子育てにも多大に影響しているが、
運営事業者や幼児教育者らがそれに追いついていない
高齢者人口は増えるが労働人口は減り、
子どもの数が減っているにもかかわらず、待機児童が存在する歪
若者はモニター上で顔を小さくし、鮮やかなカラーに加工した空の下で笑い、
見ず知らずの人から「いいね」を集めるという妙
サラリーマンは成功への情熱をたぎらせることなく、批判を受けないように熱を逃す技
過剰か不足
緊張か弛緩
悲しみか怒り
極端に心を使う
誰も怠けていない 誰も犯していない 誰も諦めていない
それなのに、すべてにおいて「ちょうどええ」が見当たらない
根源的しあわせ
それは私たちの目線の上にはない
きっと、目線の下にあるはずだ
生きにくく感じることがあるならば、それは「上向きな目線」のせいかもしれない
社会で規律正しく暮らすのもいいが、人間らしい精神的な肉体的な営みの瞬間はあるか
職業の前に、立場の前に、ルールの前に、みな人間だ
だからもっと人間らしい物差しで生きるべきではないかと思う
経営者となり20年 人間をやって46年
「目線」で社員、顧客、地域の暮らしをつくる
しあわせを拾う