金光明四天王護国之寺が正式名称である東大寺。巨大な大仏もさることながら、なによりもその建築のエネルギーに圧倒される。建築家の安藤忠雄さんも「ボクはあんまり悩むことはないねんけど、悩んだら東大寺を見に行くねん。」と仰っていました。
立ち還るところ。
ファッションは好きですが、ここ数年は「何を着ようか?」と朝に考えるエネルギーももったいないので、動きやすさや楽さを優先してきました。しかし、お陰様で仕事に追われるような日々が続くと、朝から気持ちが寄り切られそうになるのです。
あかん、これでは勝てない。自分の中から更なるエネルギーを湧き起こさなければ…と。
正直、今年から仕事のステージが明らかに変わりました。それは望んだ通りであり、ありがたいことですが、それに見合ったエネルギーがなければ倒されてしまいます。それをとても感じるのです。
気がつけば袖を通していました。
このブランドの服が着たいと言うよりも、このブランドを創ったオーナーデザイナーのオーラを纏いたい。
無意識にそう反応したのだろう。
「創造を通じたビジネスだけを継続してきた。決して芸術家ではない。売らないと意味がない。これはあらゆる重要性の中で第一で、唯一で最も重要なこと」
川久保玲
服に穴を開けるなど、ファッションを冒涜している!との批判から始まった彼女のキャリアだが、今もなお、何ひとつ迎合せず、そしてビジネスとして成立させているわけだ。迎合するどころか、トレンドを創り続けている。
20歳の時に青山本店に行った時、偶然にもその姿を目の当たりにした、あの鮮烈な記憶は20年以上経った今でも色褪せることなく小生の中に存在している。
袖を通した瞬間に、
「あなたはやるの?やらないの?」
そう聞かれている気がした。
これが小生の、立ち還るところ。
もちろん、やります。 誰の目も気にせず、誰の想像も超えてみせます。
“少年のように”