楽 直入の作品だ。初代長次郎から400年余り、直入は15代目である。受け継ぐ責任…小生にはわからない重圧であろう。



親しくさせていただいている酒造メーカー沢の鶴の西村社長は同じく15代目。創業300年の節目で就任された。西村社長曰く「何代続こうが、創業者が1番大変であり、自分には到底できない。」と…小生は引き継がなければならないものはない。その点は気楽であるが、自ら0を1にした責任はある。

新型コロナウィルスによる社会環境の変化も落ち着きを見せ始め、次のステージに入ろうとしているが、私たちの福祉業界は過去にない経営危機を迎える環境にある。特に介護事業においては残念ながら多くの倒産企業が出るであろう。しかし理由なき倒産はない。

社長は偉い。

過去にも未来にも、そんな瞬間は存在しない。

企業倒産の社長の責任は100%だ。特に中小零細企業においては101%だ。

権限あって能なし社長は石ころのように存在する。もちろん小生も例外ではない。それを自覚しているからこそ、周囲に信頼できる能あり仲間を備える。Aが得意な者、Mが得意な者と…社長はその中でXが得意なだけだ。

そして、数ヶ月前に経営チームを発足した。もちろん小生も一員ではあるが、社長パワーは通用しない。メンバー全員がフラットなチームだ。

経営課題は顔にできるシミのようにジワジワと生じ点在する。それら課題を一点一点と潰すのではなく、「点は面で潰すべき」ということでtenmen(テンメン)とチームに名付けた。

tenmenにより、経営の確度とスピードが加速している。

今年度は経営が大きく動く年だ。極めて謙虚に、一切の遠慮はしない。

「人中心型全員経営」により粛々と計画を実行するのみだ。

十五代 楽 直入作

茶碗なのに割れている。

いや、割れているから作品となるのだ。

革新的な経営に挑む。大胆に。

ただ、作品も経営も「基本」があっての革新であることを茶碗が静かに教えてくれる。