男子走高跳び-最後まで残った2人の選手は、次の高さにトライするかどうかをふたりで話し合って、トライしないことを選択した。そして、ふたりで金メダルを手にした。
「今まですべてを犠牲にしてやってきた。ここで闘うために。しかし、これ以上の闘いを続けるより、今はお互いを讃え合いたいと思ったんだ。」
今大会で最も印象的なシーンだった。
他者と競い合うスポーツもあれば、自分との闘いを極めようとする芸術の世界もある。
六本木ヒルズにも、直島にも、身近なところで言うと神戸元町にも彼女の作品がある。
「家を建てるから、玄関に啓子先生の作品を入れたいから制作してほしいねん。」「よっしゃ、ゆうちゃんは深いところから湧き出るエネルギーがあるから、そんな感じを表現しよ。」と言って作り上げてくれた。
ガラスは主にドイツのガラス職人が作ったガラスであり、啓子先生も長年にわたり現地でガラス制作に没頭したそうだ。
この写真が最後となった。
あんな話をしておけばよかった…こんなことを聞いておけばよかった…なんてことは微塵もない。これからも彼女の作品と共に暮らすことができるからだ。
たくさんのことを教えてくれだが、中でも「愛」については誰よりも教わった気がする。
先生の手が好きだった。
指先からは情熱と愛情が滴っていた。
「ゆうちゃん、がんばりよー。」そう言われる度に「妥協したらあかんよー。」と聴こえた。
先生のクレイジーはボクが引き継ぎます。
安らかにお眠りください。