2020.08.03あらたか
「食べる」ことは命を維持することと同時に、人間にとっては生きる上での大きな楽しみでのひとつです。しかし歳を重ねることで嚥下機能が低下し、食べたいものが食べられない――という利用者さまは少なくありません。
「マクドナルドが食べたい」と幾度となく伝えられてきた利用者さま。
難病からさまざまな機能が低下していくなかでも、ありのままの自分で生きたいと望んでおられる姿をみて、私たちがその願いを叶えて差し上げたいと思いました。
そこで担当の作業療法士、言語聴覚士、看護師がチームとなり、まずそれぞれが意見を出し合いました。次に試作・試食を行い、安全性を確かめました。何度も裏ごしをしてペースト状にしたものなので当然、食感は通常のハンバーガーやポテトとは程遠いものです。
それでも利用者さまはしっかり味を認識されたようで、いつもの介護食よりたくさん召し上がっておられました。また何度も指で「OK」とチャーミングに表現してくださり、そばにいたご子息もお母さまのそんな様子をご覧になって喜んでおられました。
多職種がそれぞれの専門知識や経験を活かして利用者さまや家族さまの願いを叶える、サポートする――これが私たちの強みでもありモチベーションとなっています。