2024.12.10GOALZ
30代と若い年齢で脳出血を罹患されたYさんとは、2年前から「teon(訪問看護))として関わりが始まりました。当初は室内で歩行練習が精一杯でしたが、Yさんから「もっと歩けるようになりたい」という強い想いを日々伺っていました。
私は何かもう少し意欲につながるものがないかと考え「ゴールズ」について説明し、私が聞いた中で特に印象に残ったお墓参りや結婚式を目標にした例をお話しました。すると、Yさんはすぐに「私もお墓参りに行きたい!」とおっしゃいました。罹患前は、ご家族でよくお墓参りに行かれていたそうですが、長い階段があるため、もう行けないだろうと諦めておられたそうです。
「お墓参りに行きたい」という目標を持たれたYさんは、これまで以上にリハビリに前向きに取り組んでくださいました。歩行練習は室内から屋外に移り、去年の11月からは階段の昇降練習を開始――。お墓の階段を想定して、Yさんの住まいの5階までの階段昇降ができることを目標に設定しました。
最初は1階の踊り場までの往復からスタートしましたが、今年の3月頃にはYさんご自身から「階段をもう1フロア増やしてもいいですか」と自発的な声が聞かれました。この言葉に私自身(PT)も触発され、以降は1カ月ごとに昇降階数を増やし、10月には5階まで上がれるようになりました。
そしていよいよ、お墓参りに行ける日が訪れました。担当のヘルパーにも協力を仰ぎ、「ゴールズ」を活用した企画を立てました。当日は心配していた長い階段も驚くほどスムーズに昇降でき、無事にお墓参りを終えることができました。Yさんからは「とにかく感謝です。一生行けないと思っていたお墓参りに行けて、本当に良かったです」という言葉をいただき、私自身大きなやりがいを感じました。
今回が初めての「ゴールズ」でしたが、自分自身にも言える事ですが、目標に対する思いが強いほど達成したときの喜びも格別だと実感しました。その後、「燃え尽きてないかな?」と少し心配していましたが、Yさんから「次の目標どうしようかな?」という前向きな言葉が聞けましたので、一緒に次の目標を決めて頑張っていこうと思います。