2024.10.01あらたか

【hanare宝塚】想いをつなぐ「敬老会」

還暦、古希、喜寿、米寿――長寿を祝う呼び名はいくつかありますが、「hanare宝塚(小規模多機能型居宅介護)」では、今年6名の方々が節目の年を迎えられました。お一人ずつお名前をお呼びし、ご長寿を祝う手作りの表彰状をお渡しすると、皆さまは少しはにかんだ様子で「ありがとう」「節目のお祝い初めてでうれしいわぁ」と笑顔を見せてくださいました。
年を重ねるにつれ、今までできていたことが少しずつできなくなってくるのは、人間である以上避けられないことです。それでも、生を受けてからの日々を積み重ね、今日という日を迎えられた皆さまに、楽しい時間を過ごしていただきたいとの想いから、ささやかながら「敬老会」を開催しました。

冒頭の表彰状授与のあとは、リンゴ皮むき競争です。りんご王国・長野県出身の女性スタッフと、女子力の高い(!?)男性スタッフによる一騎打ちは、hanare宝塚の毎年恒例の因縁の戦い。両者一勝一敗の戦歴を持ち、今回も火花が飛び散ります。ご利用者の皆さまに、どちらが勝つか手を挙げてもらうと、圧倒的に女性スタッフに賭ける方が多数。やさしい2名のご利用者さまだけが男性スタッフに賭けてくださいました。「皮、分厚いな!」「がんばれ」という声援や野次が飛ぶ中、競技は白熱。そして結果は、ここでは内緒とさせていただきましょう!

りんごの皮むき大会の次は、スタッフ2名による演奏です。津軽三味線とギターのコラボ演奏で、hanare宝塚でも人気の『星影のワルツ』、童謡『ふるさと』を全員で歌いました。言葉が出にくい中でもしっかりと口を動かされる方、誰よりも大きな声で歌う方、歌詞をじっくり見ながら歌う方など、一人ひとりの声が重なり、hanare宝塚はあたたかい音に包まれていきました。

楽しく歌ったあとは、かわいらしくラッピングされたお菓子をプレゼント。皆さま、顔をほころばせて受け取ってくださいました。おやつも食べ終わり、ほっと一息ついたところで、「今日はほんとによかったわぁ」とあるご利用者さまが声をかけてくださいました。合唱団にも所属され、ベートーベンの第九を歌うためにドイツまで行ったという、歌が大好きなNさまです。Nさまは「楽しませてもらうばっかりでごめんねぇ」とおっしゃったあと、パッと顔をあげてにっこり。「そうだ、お礼にあなたたちの記念写真をとってあげるわ」と、戸惑うスタッフを全員集めました。そして、カメラの操作を教わると「もう少し詰めて」「そう、いいわよ」と声をかけながら、パチリ。こうしてhanare宝塚で初めてのスタッフ集合写真となったのです。
この「敬老会」は、スタッフからご利用者さまへだけでなく、ご利用者さまからスタッフへの想いもつながる、温かいひとときとなりました。