2023.12.13GOALZ
me-boi伊丹昆陽(介護予防)をご利用いただいているYさまは、かつて積極的に外出されていました。しかし、新型コロナウイルスの流行とご主人さまのご逝去により、遠出はもちろんこと、外出機会が著しく減少しました。これに伴い下肢筋力や体力の低下が見られ、時折精神的にも落ち込まれることがあります。そんな中、私の方からGOALZのサービスについて説明させていただくと、「いつまでも落ち込んでいてはだめだから、仲の良い3人と遠出をしてみたい」とおっしゃったのです。そして、その3名の利用者さまにも相談し、「兵庫県立公園あわじ花さじき」に行ってみることになりました。
仲良し4人組の利用者さまは普段から「この家の花は綺麗ね」「この花は珍しいところに咲いているね」など花に関する話題をよくされています。また「最近、あなたの体調はどう?」などと互いの健康を確認しあったり、慰め合ったり、また時には弱気になっている人を励ましたり、さらには鼓舞し合うことで本当にお互いを気遣える仲間なんだろうなと、そばで感じていました。
GOALZを迎えた当日、車内では皆さまの会話が絶えず続いていました。そして、あっという間に明石海峡大橋に到着。周りに広がる広大な海と淡路島の緑に「まさか本当に淡路島まで来れたなんて嬉しい」と歓喜の声が上がりました。
この時期の「あわじ花さじき」では、残念ながら多くの花が咲いておらず、その光景を見て、がっかりされるのではないかと心配していました。しかし、皆さまは全くそんなことは気にされず、楽しい時間を過ごされている様子でした。またYさまの表情には笑顔が多く見られ、精神的に少し楽になったのではないかと安心しました。
今回、当事業所からはじめての遠出のGOALZ企画となりました。普段はつらいリハビリを隠すかのように元気に振る舞っておられる皆さまに心から笑っていただけることができるだろうか、また自宅に閉じこもりがちだったYさまの気持ちを引っ張りあげられるだろうかと、当日まで考えていました。単にお連れするだけでは、GOALZを実施する価値がありません。また、次もどこかに行ってみたい、生きるって楽しいといった気持ちまで運ぶことが私たちにとってのゴールだと思うのです。日々のリハビリは何のためにあるのか――それを一人でも多くの利用者さまに伝わるようにme-boi全体で取り組んでいきます。