2023.11.29Toyroro
すっきりと晴れた空が続き、お散歩に出かけることも多かったこの時期。一歩外に出てみると、これまでの暑い日差しは日増しに落ち着き、気づけば落ち葉が歩道の脇を覆うようになりました。季節が確実に前へ進んでいるのだと実感します。
公園では遊具で遊ぶ傍ら、秋の自然物を介して楽しむ子どもたちの姿が見られます。砂山を囲い、ろうそくに見立てた小枝を飾りつけてお友だちの誕生日会が始まったり、思いがけず見つけた木の実の場所を私たちに嬉しそうに案内したり、どれも活き活きとした表情が印象的です。その中でも“どんぐり”は特別なもののようですね。
どの子も目を輝かせて拾い集める光景は好奇心に満ちていて、見ていて微笑ましく思います。公園によっては種類の異なるどんぐりの木が自生しており、大きさや形もまちまちです。木から落ちてしばらく経過したものにいたっては表面も土だらけ。おのずと拾い集めた袋の中は、土の付いた不揃いなどんぐりでいっぱいになっていきます。しかし子どもたちは気にも留めずに、帽子を被ったものや穴のあいたもの、成熟していない緑色のものと純粋にどんぐりという“宝ものさがし”を楽しんでいました。そんな姿を見ていると、大人と子どもの境い目を飛び越したのはいつなのか。いつから、形や色のきれいなどんぐりばかりを拾うようになってしまったのだろうと、ふと思い返します。
大きさや形、色だけでなく、全てを含めてどれに魅力を感じ、何を大切に思うかは一人ひとり異なります。しかし、成長の過程で何かしらのフィルターがかかり、本来感じていたことが記憶の奥へと流れてしまうのです。当園が掲げる「みんな違うが、みんないい」という想いが、少しでも子どもたちの心の片隅に残ってくれることを願っています。