大丸でランチをしたい

「ランチに絶対行こな！」――私が初めて訪問させていただいた初日に、Nさまはこう仰ったのです。

もともと友達も多く、ご飯を食べに行ったり、映画を見に行ったり外出することが大好きだったＮさま。しかし持病の悪化から外出機会が減り、身体機能の低下から転倒を繰り返すようになりました。そのため週に二回teon（訪問看護）の利用が始まりました。訪問開始時は家の中を一人で歩くことも困難でしたが、そこから約二か月間、杖を使って歩いてランチに行くことを目標に一生懸命リハビリに取り組まれました。

そして当日、天候にも恵まれ絶好のお出かけ日和となりました。マンションの駐車場に降りてきたＮさまは、ショッキングピンクのパンツを履き、シャネルのバッグを持って準備万端。今回のランチ会場となった大丸は、お元気だった頃に友達や家族と買い物をしたりご飯を食べに行ったりとNさまにとって思い入れの強い場所です。大丸の駐車場に到着すると、Ｎさまは「3年ぶりに来たわ…」と感慨深そうに大丸を眺めていました。そして何回も練習をしたスロープを難なくクリアし、目標通り大丸の中を、杖を使って歩くことができました。

ランチをした中華料理屋さんでは、Ｎさまのおすすめの料理が並び、ビールを片手に飛切りの笑顔を見せてくださり、この日の為に練習した“ハートポーズ”もばっちり。そして、帰りの車では「次はどこ行く？」と嬉しそうに語っておられました。今回のGOALZがN様さまの自信に繋がり、Nさまらしく暮らす第一歩となれば嬉しく思います。