2023.07.16あらたか

【hanare宝塚】七夕 ―星空に思い出をかさねて

皆さま、最近星空を見上げましたか?
7月7日「七夕」は今年も夜になると雨模様の予報。しかしhanare宝塚(小規模多機能型居宅介護)のご利用者の皆さまは、満天の星空を見上げることができました。そう、プラネタリウムです。
この日のhanare宝塚は七夕一色です。一人ひとり願いを込めた短冊を笹の葉に飾り、昼食では七夕そうめんを堪能。いつもの体操の後にはスタッフが七夕の由来を紹介し、さらには、七夕クイズで盛り上がりました。短冊に書かれた願いを披露していただくと、健康や家族円満だけでなく、「もう一軒家がほしい」「美しくなりたい」と個性豊かな願い事が……。

キラキラ輝く星空ゼリー(ぶどう味)を楽しんだ後は、いよいよプラネタリウムの時間です。
居室の雨戸を閉めると、一瞬で真っ暗闇に包まれます。思わず驚く方もいらっしゃいましたが、突然天井に映し出される星空に歓声が上がります。虫の音とともに流れる穏やかな音楽に身を委ねると、hanareの居室であることを忘れてしまいそうでした。
「きれいだったわ」と笑顔でプラネタリウムを後にしたMさまは「昔、父に大阪の四ツ橋にあるプラネタリウムに連れて行ってもらったことを思い出した」とお父様のことをお話してくださいました。それはMさまから聞く初めての思い出話です。ふだんは心の中にいる「小さい子」のお世話が気になってご自宅でも家に帰らなきゃとそわそわしてしまうMさまですが、思い出話を話す姿はどこまでも穏やかでした。

そんな話をしていると、普段無口なTさまが「あった、あった。四ツ橋にプラネタリウム」と声をかけてくれたのです。「行ったことあるな」とTさまが言ったところ、地元出身のスタッフが会話に加わり、「電気館ですよね」と乗ってきます。昭和12年にオープンし平成元年に幕を閉じた「四ツ橋のプラネタリウム」の話題でMさまも笑顔が絶えませんでした。
さらには、今は住宅と商業ビルがひしめく逆瀬川界隈ですが、林や農地がひろがるのどかな田園地帯だったかつての逆瀬川の星空を語ってくれた方も――。どこまでもひろがる星空に「あれが柄杓(北斗七星)やなぁって見てたんよ」と目を細められていました。

居室という限られた空間での小さなプラネタリウムでしたが、この七夕イベントを通して、皆さまの目には時空を超えた思い出の星空へとつながっていたのかもしれません。
旧暦の7月7日は今年の8月22日にあたるそうです。皆さまも梅雨も明けた満天の星空を見上げてみませんか? 思い出の夜空とつながっているかもしれませんよ。